Vinyl Junkie Recordings presents 東日本大震災救済・復興支援シューゲイザー/ドリームポップバンドによるチャリティー・コンピレーションアルバム『The Light Shines into Your Dream』を8月3日デジタルリリース!!
UKのアーティストを中心に、優良なバンドを多数輩出しているVinyl Junkie Recordingsが、このたび東日本大震災の被災者救済支援のためのコンピレーション・アルバム『The Light Shines into Your Dream』をiTunesでデジタルリリースすることになった。
本作は、“シューゲイザーの総本山”でもあるVinyl Junkie Recordingsらしく、シューゲイザー系のバンドを中心にセレクト。呼びかけに応じたのは、なんと我らがマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(!!)をはじめ、チャプターハウスやリンゴ・デススター、アストロブライト、フリーティング・ジョイズ、コールター・オブ・ザ・ディーパーズ、クライフ・イン・ザ・ベッドルームら錚々たる顔ぶれ。収録曲は、全て未発売音源というからファンはマストだ。
今回の目玉はやはりマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(以下、MBV)がライヴ音源を提供していることだろう。1991年の『Loveless』リリース以降、MBV名義での公式音源は、カヴァー曲のみ(1993年にルイ・アームストロングの「We Have All The Time In The World」、1996年にワイアーの「Map Ref 41°N 93°W」)という状況であり、一度たりともライヴ音源を出したことのない彼らが参加するのは画期的だ。気になる内容は、2008年フジロックのライヴ音源。彼らがいかに日本での思い出を大切にしてくれているか、そして今回の震災で、いかに心を痛めているかが伝わってくる。
シューゲイザー・ファンのみならず、全てのロック・ファンに聴いて欲しい。
黒田隆憲(「シューゲイザー・ディスク・ガイド」監修)
THE LIGHT SHINES INTO YOUR DREAM
(DIGITAL DOWNLOAD) [VJR-3120] ¥900- 2011年8月3日発売
アーティスト / タイトル
01. Chapterhouse / Pearl (2009 Recorded Version)
02. Deep Cut / Out Of Nothing
03. Coaltar Of The Deepers / Hallucination
04. Ringo Deathstarr / Every Time I Leave You
05. Exit Calm / Hope
06. Lemon's Chair / Brilliant
07. The Deer Tracks / The Archer (Radio Edit Version)
08. Pia Fraus / Birds Still Swing
09. cruyff in the bedroom / Cry (Tokyo Feedback Renaissance Mix)
10. The Megaphonic Thrift / Fill Your Cup,Tokyo!
11. Astrobrite / New Sun
12. Fleeting Joys / Between The Light And My Eyes
13. dip / Ode (To The Mucous Membrane) - Four Pieces Ver.
14. Secret Shine / Taking Me Over
15. My Bloody Valentine / To Here Knows When (Live Version At Fuji Rock Festival' 08)
各収録曲解説
01. Chapterhouse / Pearl (2009 Recorded Version) (From UK)
トリプル・ギターによる壁のようなフィードバック・ノイズと美しく幻想的なメロディ、どこか中性的な魅力をたたえたルックスにより、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ライド、ラッシュと共に人気の高かった90年代オリジナル・シューゲイザー・バンド。2010年にはおよそ20年ぶりの来日を果たし、大きな話題となった。提供曲は、彼らの代表曲の2010年ヴァージョン。キラキラ度が増したサウンドに目眩がしそうだ。
02. Deep Cut / Out Of Nothing (From UK)
90年代のオリジナル・シューゲイザー・バンド、リヴォルヴァーのフロントマンだったマット・フリントが、リード・ヴォーカルのエマ嬢を迎えて2005年にスタートさせたバンドがディープ・カットである。2000年のデビュー・アルバム『My Thoughts Light Fires』では、ガレージやサイケ色の強いロック・サウンドを奏でていた彼らだが、本収録曲ではヒプノティックなギター・カッティングとシンセのレイヤーが、夢見心地なヴォーカルを包み込む極上のドリームポップを展開している。
03. Coaltar Of The Deepers / Hallucination (From JAPAN)
筋肉少女帯の大槻ケンヂ率いる特撮ではギタリスト&サウンド・プロデューサーとして活躍し、アストロブライトからももいろクローバーに至るまで多種多様なプロジェクトに参加する鬼才NARASAKIが、90年代はじめに結成したオルタナティヴ・バンド。シューゲイザーのみならずデスメタルやハードコア、ボサノヴァなど様々なジャンルを取り込んだサウンドによってカルト的な人気を誇っている。80年代ニューウェイヴ〜フレンチ・エレクトロを思わせるような、ダークで内向的な提供曲は本アルバムの中でも異彩を放つ。
04. Ringo Deathstarr / Every Time I Leave You (From US)
数あるMBVフォロワーの中でもずば抜けてポップなメロディを書き、シューゲイザー・ファン以外にもファン層が広がりつつあるテキサス出身の3ピース。2010年はじめにファースト・アルバム『Colour Trip』をリリースし、都内の大型CDショップで異例の売上を記録した。同年春には2度目の来日を敢行、紅一点アレックス(ベース)の類い稀なる美貌に、男性だけでなく女性オーディエンスも虜に。提供曲は、ジーザス・アンド・メリー・チェインを彷彿とさせるような気怠いヴォーカルが印象的だ。
05. Exit Calm / Hope (From UK)
先行シングルをエレクトロ・シューゲイザーの代表格、ウルリッヒ・シュナウスがプロデュースし話題となった英国サウス・ヨークシャー出身の4人組。鼓膜を突き破るほど鋭利なフィードバック・ギターと、うねるようなグルーヴ、その靄を振り払うように存在感を示すニッキー・スミスのヴォーカルは、ボノやリチャード・アシュクロフト(ザ・ヴァーヴ)を彷彿とさせるほどエモーショナルでソウルフルだ。暗闇の中に差す一筋の光が徐々に広がっていくようなサウンドは、この曲のタイトルにぴったり。
06. Lemon's Chair / Brilliant (From JAPAN)
関西シューゲイザー・シーンを牽引するレーベル、High Fader RECORDSのイマニシマサシとYUKOによって結成された、インストゥルメンタル・ユニット。様々なエフェクターを駆使した映像的でアンビエントなサウンドスケープは、シガー・ロスやムームといった北欧シーンや、ウルリッヒ・シュナウスらエレクトロ・シューゲイザーにも通じる。提供曲は、YUKOのヴォーカルをフィーチャーした初の歌モノ。ゆったりとした涼し気なサウンドが心地良い。
07. The Deer Tracks / The Archer (Radio Edit Version) (From SWEDEN)
レイアのフロントマンであり、エイリアル・キル・ヒム名義でも活躍するデイヴィッド・レーンベルクと、彼のアルバムにヴォーカルで参加し、ツイッギー・フロストバイトの中心人物として人気の美女エリン・リンドフォースによるスウェーデン出身の男女デュオ。電子音とアコースティックな生楽器を融合させた、涼し気だがどこかぬくもりのあるサウンドと、透き通るような美しさをたたえるエリンのヴォーカルは、日本人の琴線に触れ深い感動を与える。提供曲は、最新作『THE ARCHER TRILOGY PT.2』からのラジオ・エディット・ヴァージョンである。
08. Pia Fraus / Birds Still Swing (From ESTONIA)
エストニア出身の男女混成バンド。ティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイクがプロデュースを手がけた通算4枚目のアルバム『After Summer』を2008年にリリースしている。女性ヴォーカルが歌うキュートでメランコリックなメロディと、ギターポップ・ライクなバンド・アンサンブル+フィードバック・ノイズが涼し気な風を誘う。提供曲は、奈落の底へと落ちていくようなフィードバック・ギターが圧巻。
09. cruyff in the bedroom / Cry (Tokyo Feedback Renaissance Mix) (From JAPAN)
「ジャパニーズ・キング・オブ・シューゲイザー」の称号を背負い、90年代の終わりから活動を続けるロック・バンド。シューゲイザーを基軸としつつ、ハウスやポストロック、ジャズなど様々な要素を取り込んだダイナミックなサウンドを展開しており、そのパワフルな演奏力はライヴでの評価も高い。今回は、最新作『ukiyogunjou』にも収録されていた人気曲のアウトテイクを提供している。
10. The Megaphonic Thrift / Fill Your Cup,Tokyo! (From UK)
メガフォニック・スリフトは、紅一点のベーシストを含むノルウェー出身の4人組。シューゲイザーのみならず、グランジやローファイなどを通過した乾いたギター・サウンドと躍動感あふれるリズム隊が魅力だ。本作の提供曲では、まるで初期ピクシーズのようなスリリングなロックンロールを披露している。
11. Astrobrite / New Sun (From US)
90年代はじめより活動を開始し、ラヴライズクラッシングやスターなど様々なプロジェクトを掛け持ちする鬼才、スコット・コルツの“ライフワーク”とも言えるのがアストロブライトである。4トラックMTRを駆使したノイズまみれの、それでいて底知れぬ美しさを持つサウンドはシューゲイザー・ファンの間で圧倒的な支持を受けている。COALTAR OF THE DEEPERSのNARASAKIとの交流も深い。
12. Fleeting Joys / Between The Light And My Eyes (From US)
あまりにもMBVそっくりなサウンドに「『Loveless』のアウトテイク?」とまことしやかに囁かれたこともある、カリフォルニア出身のジョンとロリカによる夫婦ユニット。彼らのファースト・アルバムは、日本で一時期プレミアがつくほどの話題になった。2010年には奇跡の来日を果たし、レディオ・デプトやディア・トラックスらとツアーを行っている。提供曲は録り下しの未発表曲。ロリカの夢見心地な声がたまらなく心地良い。
13. dip / Ode (To The Mucous Membrane) - Four Pieces Ver. (From JAPAN)
80年代後半に「DIP THE FLAG」として活動を開始していたヤマジカズヒデが、90年代に結成したロック・バンド。何度かのメンバー・チェンジを繰り返しながらもマイペースにアルバムをリリースし続け現在に至る。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドにも通じるドラッギーでサイケデリックなサウンドは、海外からの評価も高い。提供曲は、中盤のカオティックなフィードバック・ノイズがMBVの「You Made Me Realise」を彷彿とさせる。
14. Secret Shine / Taking Me Over (From UK)
ネオアコの良質レーベル、サラから1991年にシングル・デビューした英国ブリストル出身のバンド。90年代終わりに一度消滅するも、2000年に復活を果たす。2011年にはサード『The Beginning and The End』をリリース、シンセを大幅に導入しエレクトロ・ポップ色の強いサウンドを展開した。提供曲は、ゆったりとしたフィードバック・ノイズがスロウダイヴ辺りをも連想させるサイケかつメランコリックなナンバーである。
15. My Bloody Valentine / To Here Knows When (Live Version At Fuji Rock Festival' 08) (From UK)
シューゲイザーと言えば彼らをおいて他にない。ケヴィン・シールズ率いるアイルランド出身の男女混成バンドで、1991年にクリエイション・レーベルからリリースされたセカンド・アルバム『Loveless』により伝説的な存在となる。以降はほとんど活動停止状態だったが、2008年に17年ぶりの再始動を果たしフジロックにも降臨するも、今に至るまで新作のリリースはない。MBVが未発表音源を提供するのは極めて珍しいことで、しかも公式のライヴ音源がリリースされるのは世界で初めて。フジロックからチョイスするあたり、ケヴィンなりの「日本へのエール」が感じられ感激ひとしおだ。
黒田隆憲(「シューゲイザー・ディスク・ガイド」監修)
Vinyl Junkie Recordings presents 東日本大震災救済・復興支援シューゲイザー/ドリームポップバンドによるチャリティー・コンピレーションアルバム『The Light Shines into Your Dream』を8月3日デジタルリリース!!
UKのアーティストを中心に、優良なバンドを多数輩出しているVinyl Junkie Recordingsが、このたび東日本大震災の被災者救済支援のためのコンピレーション・アルバム『The Light Shines into Your Dream』をiTunesでデジタルリリースすることになった。
本作は、“シューゲイザーの総本山”でもあるVinyl Junkie Recordingsらしく、シューゲイザー系のバンドを中心にセレクト。呼びかけに応じたのは、なんと我らがマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(!!)をはじめ、チャプターハウスやリンゴ・デススター、アストロブライト、フリーティング・ジョイズ、コールター・オブ・ザ・ディーパーズ、クライフ・イン・ザ・ベッドルームら錚々たる顔ぶれ。収録曲は、全て未発売音源というからファンはマストだ。
今回の目玉はやはりマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(以下、MBV)がライヴ音源を提供していることだろう。1991年の『Loveless』リリース以降、MBV名義での公式音源は、カヴァー曲のみ(1993年にルイ・アームストロングの「We Have All The Time In The World」、1996年にワイアーの「Map Ref 41°N 93°W」)という状況であり、一度たりともライヴ音源を出したことのない彼らが参加するのは画期的だ。気になる内容は、2008年フジロックのライヴ音源。彼らがいかに日本での思い出を大切にしてくれているか、そして今回の震災で、いかに心を痛めているかが伝わってくる。
シューゲイザー・ファンのみならず、全てのロック・ファンに聴いて欲しい。
黒田隆憲(「シューゲイザー・ディスク・ガイド」監修)